Web上やスマホアプリの様々なサービスを利用するには、そのサービスのアカウントを登録する必要がある場合もあるが、気になることの一つがパスワードだ。
様々なサービスに登録していると、ついつい他のサービスでも使っているパスワードを使い回したくなるが、それはリスクのある使い方で、悪意のある人に盗まれた場合には他のサービスも簡単にアカウントを乗っ取られてしまう。
しかし、サイトごとに違うパスワードを登録するとなると、とても覚えきれない。そこで登場するのがパスワードを登録して管理できるソフトKeepassの登場だ。
Keepassとは?
Keepassは、アメリカの暗号・情報セキュリティ研究者・専門家であるブルース・シュナイアー(KeepassはBruce Schneier)氏によるオープンソースプロジェクトのパスワード管理ソフトウェアで、無料で使用できる。主な特徴として以下がある。
- 最も安全な暗号化アルゴリズムAESおよびTwofishによる強力なセキュリティ
- 複数のユーザーキー
- インストール不要のポータブルにも対応
- TXT、HTML、XML、CSVファイルへのエクスポート
- 多くのファイル形式からのインポート
- 簡単なデータベース転送
- 直感的で安全なクリップボードの取り扱い
- 検索とソート
- 多言語サポート
- 強力なランダムパスワードジェネレータ
- オープンソース
KeePassの使い方
インストール及び日本語化のやり方はこちら。
データ管理用DBの作成
KeePassは、登録したIDやパスワードのデータを独自のDB(データベース)に保存することができ、例えば自宅で作成したDBを会社に持っていき、会社のKeePassから読み込むことで同じサービスを共通のIDとパスワードを使って簡単にログインすることができるようになっている。
手始めにこのパスワード管理用DBの作成をするので、まずはKeePassを起動したら新規作成アイコンをクリック。
案内が表示されるので「OK」をクリック。
続いてはDBのファイル名の指定。DBは「.kdbx」という拡張子で保存される。保存する場所でお薦めなのは、GoogleドライブやDropBox、OneDriveなどのオンラインストレージに保存することで、例えば会社で新しくデータを追加して保存すると自宅のDBも自動で更新されるので再度追加する手間が省ける。新しいPCを使用する場合でも、同様にオンラインストレージから読み込めばOKだ。
今度はマスターパスワードの作成だ。間違って誰かがKeePassを開いても使えないようにしておく必要がある。マスターパスワードを入力して「OK」で次に。
続いてはDBの設定だが、初めての場合はそのままOKで。
緊急用シートは、マスターパスワードやDBの保存先を紙に印刷するための作業だが、個人的に紙に印刷するよりはメールで自分に送って保存しておく方が何かと便利なので、スキップで。もちろん、紙に保管したい人は印刷しておくといいだろう。
IDとパスワードの登録
DBの作成が完了すると下記のような画面になる。
続いてはIDとパスワードの登録。「エントリーの追加」アイコンをクリック。
サンプルでWordpressにログインするための追加登録してみるが、タイトルには自分で理解できるもの、ユーザ名はログインするためのID(ユーザ名、メアドなど)、URLはIDが入力できるフォーム画面を入力。
続いてはパスワードだが、パスワードの右横にある「●●●」をクリックすると下記のようにランダムな文字列が表示されているのでこれを使うのをお薦めするが、既にパスワードがある場合にはそれを入力。完了したら「OK」をクリック。
KeePassから自動ログイン
登録が完了したらKeePassには自動入力機能があるので、それを試しみよう。まずは、①で登録したアカウントを選択し、②「URLを開く」アイコンクリックで登録したサイトを開く。すると既定のブラウザが起動するが、既定のブラウザ以外で開きたい場合はプルダウンから選択するといいだろう。Internet Explorer、Edge、Firefox、Chromeが選択できるようになっている。
サイトを開いたら今度は、「自動入力を実行」のボタンをクリック。なお、キーボードの入力モードが日本語の場合には失敗するので、予め英語入力モードにしておこう。
ログイン画面から自動ログイン
既にログイン画面を開いている場合には、IDの入力欄にカーソルを合わせた状態で、KeePassの「自動入力を実行」のボタンをクリックすることでも自動ログインができるようになっている。
コピーによるログイン
ボットなどのスパム対策にログインの入力フォームがIDを入力後に「次へ」というボタンを押さないと進めない場合はパスワードが自動で入力されないので、手動でIDやパスワードをコピーしてログインする必要がある。
手動によるコピーのやり方は以下の通りだ。