ネットや年末年始のTV番組を見ていると個人的な感覚では2014年はドローンが普及した年だったのかなと振り返るのだが、2015年は人工知能に注目したい年。
2014年に登場したSoftBankの人工知能を搭載したロボットPepperが面白いのはインターネットに接続していることだろう。クラウドネットワークに接続することで常に最新の状態が保たれ進化する。
Pepperのようなロボットだけではなく今後は様々なモノとインターネットがつながる、いわゆる「モノのインターネット(Internet of Things:IoT)」が普及し、それらに発達した人工知能が活用され人間は益々便利な世の中を生きることになるだろうと考えられる。
しかし、人工知能が発達すると20年後には人間が行っている創造性を必要としない仕事はどんどん機械によって代行されていくことになるだろうとも言われている。
少し前置きが長くなったが、お正月のNHKスペシャル番組「NEXT WORLD」で、その人工知能に関しての特集があったのを見ていたのだが、その中で紹介されたMusic Xrayっていう音楽サービスが面白いのでちょいと調べてみた。
Music Xray
Music Xrayは簡単に言うとアーティストと音楽企業、そしてファンをつなげるためのサービス。
アーティストには歌を企業に一致させる機会を無料で提供し、それらの企業の意思決定者と直接会う機会を与え、彼らがアーティストの曲を聞くことを保証している。ソニー、ユニバーサル、ワーナー、MTV、ライブ·ネイション、BMG、NBCのザ·ボイスなどの1400以上の企業と連携している。
音楽企業のプロデューサーには新しい才能の発掘を提供し、ファンの視聴者には新しいアーティストやバンド発掘の機会を提供する場となっている。
面白いのはそのシステムで、無名のアーティストでもサイトに投稿した音楽を人工知能システムがヒット予測をしてそのヒット確率が高い曲を企業のプロデューサーに紹介するシステムになっていることだ。
「ミュージック・エックスレイ」(Music X-ray)社が開発したのは、音楽投稿サイトに搭載された人工知能だ。この人工知能には、クラシックからジャズ、ロックまで古今東西およそ300万曲のデータを読み込ませて、学習させている。この人工知能は、その過去のデータを基に、新曲のヒットの確率を自動的に予測する。ミュージシャンが自分の作品をアップロードすると、人工知能はその音楽をメロディ、ビートなど70の要素に分解し、分類する。
これまでの人工知能の集積では、ジャンルを問わずヒット曲は全部で60の集団に分かれるという。このシステムに当時デビューしたばかりだった歌手、ノラ・ジョーンズのアルバムを読み込ませたところ、ほとんどの曲がヒットすると予測し、実際その年にグラミー賞を取るに至った。この会社のシステムは音楽業界の中で急速に浸透し始めていて、大物ミュージシャンを生み出したプロデューサーらが新人ミュージシャンを発掘するのに使うようになっている
引用:NHKスペシャル|NEXT WORLD 私たちの未来
番組内での紹介ではこのサービスにはビヨンセの育ての親など大物プロデューサーも注目していたようで、同様に番組内で紹介されたHEIDI MERRILL (ハイディ・メリル)は20以上の企業に作成した曲を送るも見向きもされなかったが、このMusic Xrayを使うことで音楽番組にデビューすることができたとか。
最近少しハマっているiPhoneのスノーボードゲームSnowboard Partyがあるが、このアプリのサウンドトラックに起用されているバンドNo BlitzもこのMusic Xrayを利用していたようで、サクセスストーリーとして紹介されている。
音楽が売れなくなったという話はよく聞くようになったが、売れる曲を作れない人間の創造性が足りていないのだろうか、いずれは音楽すらも人工知能が作曲をする時代がやってくるかもしれない。
数年前、10数年前まで見ていた映画の世界が確実に現実化している。
今後の人工知能の発達に益々注目したい。