USB CはUSB Aと比べて向きを考えることなく挿すのが簡単だったり、ノートPCからPCモニターへの映像出力と充電を同時にしたり、高速充電ができたりと大変便利で、最近は所持している家電などをどんどんUSB Cに切り替えている。
個人的にはUSB AからUSB Cへの切り替えの過渡期ではあるのかなと感じているが、この過渡期にけっこう重宝するのがUSB Cのハブである。過去のUSB Aの家電でまだまだ使えるものがある場合には、USB Cハブに接続することで継続して使える。
USB Cのハブの購入検討をしているのならば、今回紹介するDockCase 7 in 1 USB Cハブを検討するのもいいかもしれない。DockCaseさんから提供頂いた7 in 1 USB Cハブをレビューしてみたいと思う。
目次
DockCase 7 in 1 USB Cハブのレビュー
ここでは実際に使ってみた所感を述べていきたいと思うので、基本的なスペック情報はAmazonのページを参照して貰えれば。
接続情報を表示するディスプレイ付きUSB Cハブ
USB Cのハブは様々なメーカーが販売しているが、このDockCaseハブの最大の特徴は、USB Cのハブ本体にディスプレイが内蔵されているということだ。
DockCase 7 in 1 USB Cハブに差し込めるデバイスやポートは下記の通りだが、単に接続をするのではなく接続したデバイスの様々な情報を内蔵ディスプレイに表示できるようになっている。
接続可能な端末・ポートと表示内容 | |
---|---|
HDMIポート | 4K@60Hzのモニターに接続でき、モニターのブランド、解像度、製造日、温度などを表示 |
100W PD 3.0 | 電圧、電流、温度を表示 |
SD / TFカードリーダー | カードの種類と温度を表示。TFカードはmicroSDカードの事を指す。 |
USB 3.0ポート | USB 3.0またはUSB 2.0と温度を表示 |
ケーブルを接続すると下記のようにディスプレイに接続情報が表示される。これまでにない最先端感があり、ガジェット心を刺激してくれ、何かワクワク感が湧いてくる。
ただし、ハブにディスプレイが内蔵されているので、様々な機器を接続した時にそれらの情報を視覚的に確認できるのはいいが、問題としてディスプレイの向きがある。
ノートPCで接続した機器の情報を読むためには、デフォルトではノートPCの左側にUSB Cの端子に接続する必要がある。説明書にも左側に接続することを「提案」と記載がある。
本体にはピンホールがあり、そこにスマホ用のSIMピンなどでピンホールに差し込めば、モニターの向きを変えられるようになっているが、ピンは付いていないし、それは面倒だ。なので、ノートPCの右側にどうしても挿し込んで使いたいというのならピンを使ってディスプレイ表示の向きを変更する方がいいだろう。
タッチパネルで変更ができたらいいだろうが、コストがさらに跳ね上がるのは見えてる部分ではある。
重さがややある
手元にAnker PowerExpand+ 7 in 1のハブがあるが、それと比べて最初に感じたのは、やや重さがあるということだ。
Anekrのハブは99gで、DockCaseのハブは127gとなっている。
放熱するためのファン、及びディスプレイを内蔵することによる重さが増したためであると想像でき、放熱と接続情報という機能を得られる代わりに28gという重さが掛かった。
28gの差があるが、許容範囲内ではある。
Ankerのハブと並べて比べてみると、全体的にスリムだが厚さがややある。
放熱効果
DockCase 7 in 1 USB Cハブには、USBやHDMIの差込口とは別に排気口らしきものがあり、本体内部には静音ファンが循環放熱システムを提供している。
実際に、83.34 GBのデータをLexarのSDカードProfessional 2000x 256GBのカードに転送して、放熱効果を確認してみた。
83.34 GBを全部SDカードに転送するのに掛かった時間は約16分50秒で、4、5分あたりから「少し温まってきた?」となり、ディスプレイ部には緑色の文字で「CR : ○℃とUB : ○℃」が交互に表示される。
CRは恐らくCard Readerの略で、UBは恐らくUSB Cハブの本体の温度だと思われるが、温度は「CR : 48℃、UB : 52℃」あたりで高止まりし、こうやって温度が視覚化されて見れるのは面白い。
データ転送後半ではややケース本体から熱を感じるが、そこまで「凄く熱い」という印象はない。
さらに、4Kモニターへの出力も可能ということなので、長時間動画再生時の温度も確認してみた。
Dell U2723QEの4K27インチモニターに接続し、モニターのリフレッシュレート60Hzで設定。ハブのディスプレイには解像度3840 x 2160と一緒にリフレッシュレート60Hzが表示された事を確認できた。
また、Amazonプライム4Kのアイアンマン (字幕版) UHD版を視聴してみたが、特に問題なく再生できた。
視聴しているとディスプレイには、「HD : 65℃」と表示されたことを確認。HDはHDMIケーブル接続のことであろうが、やはりこうやって視覚的に温度が上昇することを認識できるのは新しい感覚ではある。
ただ、HDMIの4Kの長時間での動画の再生だと、65℃と表示されたというものあり流石にハブケースを触るとそれなりの熱さが伝わってくる。
DockCaseのケース素材及びディスプレイを内蔵している構造のためか、発熱による温度上昇がやや高い気もしないわけではない。
転送速度は遜色ない
USB 3.2の5Gbpsのデータ転送速度対応となっているので、実際にLexarのSDカード Professional 2000x 256GBを使って、同様に5GbpsのAnker PowerExpand+ 7 in 1のハブの転送速度とを計測して比べてみた。速度計測に使ったのはMacのアプリBlackmagic Disk Speed Test。
まずは、DockCase 7 in 1 USB Cハブの転送速度の結果。
今度は、Anker PowerExpand+ 7 in 1の速度計測の結果。書き込み、及び読み込み速度は、ほぼ変わらないので速度転送については遜色なく安心して使えると言える。
非一体型のハブとケーブルのメリット
Anker PowerExpand+ 7 in 1のハブは、ハブとケーブルが一体型になっているのだが、収納の時に気になるのがケーブル。
仕事などで利用しているリュックには、小さなポケットがいくつかあり、そのポケットにAnkerのハブを収納するが、ケーブルがポケットに収まらずに少し傾いたまま収納している。
それなりの強度がありそうなので、そこまで断線を気にしてはいないが個人的にはリュックの中に収めたい。
そういう点では、DockCase 7 in 1 USB Cハブは、ハブ本体とケーブルが一体型になっていないので、いつでも取り外してポケットにすっぽりと収納することができる。
ただ、残念なのはDockCaseのケーブルがフラット形状のものになっているということ。それなりの強度があるので簡単には断線しないと思うが、そのフラットの形状からしてハブを少しひねって曲げるような形で使用したら、フラットの形状からして断線するのではないかという気持ちにとらわれる。
なので、これは円状のケーブルが良かったのではないかと感じる。しかし、断線したとしても一体型ではないため簡単に代えられるし、ケーブルが短いと感じた場合には長いケーブルに交換できるということはメリットとして捉えることができる。
DockCase 7 in 1 USB Cハブ・レビューまとめ
全体的な感想としては、ディスプレイでの表示は最初のインパクトはあるものの、どうしてもその「表示を確認する必要性と頻度」に少し掛けているのと、時間とともに目新しさがなくなるが、ハブ本体とケーブルが一体型ではないのでは利便性がある。
欲を言うならば、LANポートが欲しいところだ。
以上のことから、このハブは最先端のものを使ってみたいガジェット好きか、ハブとケーブルに何かしらの不便性を感じている人は検討の一つとして候補にしてみるといいだろう。