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インタビュー:Pixivで確実にファンを増やすイラストレーターでアニメーション作家の加藤オズワルド

作家性をメインにした依頼は多くなく、技術力を買われた依頼が多い

作家性を買われての依頼は多くなく、どちらかというと職人としての力量を買われての依頼が多く、映像化するという仕事と言ったところ。企画から関わることもあるけど、多くはない。企画も運用自体よりもヴィジュアル部分のスーパーバイザーで関わることもある。今までとは違うものにしたいとプロデューサーから言われるが、具体的な内容が出てこなかったり。笑

育ちがブラジルというのもあり、日本っぽくないものを作りたい、変わったタッチが欲しいという時に呼ばれることが多い。

ゲームなんかでは、「ノーモア★ヒーローズ」や「KILLER IS DEAD」など洋ゲーっぽいものをたくさん作っているグラスホッパーマニュファクチュアのタイトルの何本かに参加しているが、その時も「アメコミが得意で映像が作れる人」というくくりで呼ばれた。笑

ゲームのキャラクターデザインにも関わった

2Dのものを見て2Dを描くのが凄く下手

2Dのものを見て2Dを描くのが凄く下手。要するに、ドラゴンボールの悟空を見て描くけど、パーツはあっているけど、なんか違うよねコレという感じになって上手に模写ができない。ドラゴンボールはまだましな方だけど、ドラえもんとか小さい時から好きな漫画家やアーティストのものを模写して描いていたけど、違うものになってしまい、あまり模写してこなかった。そんで似てないから模写することを止めた。

その中で鳥山明さんやアメコミなど、要するに3Dで整合性がとれてるもの、3Dで理解ができるもの、立体で理解できるものはわりと描ける。ヒーローとかもかっこよかったけど、ちゃんと立体にリアルに描けたことに対して惹かれた部分があった。

そこからデフォルメの面白さにハマっていったのが、イギリスのアメコミ作家サイモン・ビズリーに影響を受けて彼の絵を真似するようになった。

参照:The Art of Simon Bisley(サイモン・ビズリーの公式ファンサイト)

その他にはカプコンのストリートファイター2のキャラデザインをしたあきまんさんや寺田克也さんとかの影響があって、あの辺のリアルな筋肉を描くのが楽しい時期があった。

その後、一番衝撃的にハマったのがメビウスというフランスの作家さん。絵というか、線が好きで、大学の時はほぼこの人の真似ばかりをしていた。

そこからは、むしろ古典に戻ったというか、アメリカの油彩画家アンドリュー・ワイエスやポーランドの画家タマラ・ド・レンピッカなど、現代アーティストの人たちとかを自分の中で再評価して塗り方とか構図を真似したけど、そこからはあまり影響は受けなかった。

アニメを作るようになってから、宮﨑駿さんとかディズニーのアニメーター「グレン・キーン」や森康二(もりやすじ)さんがちょっと気に入って真似して描いていた。

宮﨑駿さんとか森康二さんの影響は、実は子供の頃に受けた影響を掘り起こしていたということに途中で気がつくんだけど、自分のベースにあった日本っぽさというのは、自分が生まれるか生まれないかの時に作られた東映のアニメーション作品のカラーに影響を受けていたコトに気がついて、それで追っかけるようになった。

自分の中でのキャラクターデザインの好みがどこから来ているのか解らず、全然定まらなかったのだけど、その好きなものをほじって行ったら、結局そこの昔の東映の映画とか、一番好きなのは「わんぱく王子の大蛇退治(参照)」があって、それのデザインとかが凄く好きで鮮烈に残っていた。最初はタイトルも思い出せなくて、絵だけがずっと頭の中にあって、Googleで検索していったら「これだこれだ」とほじっていったら東映の映画だという感じだった。

それに気づいたのも凄く変な話で、ゼルダの伝説の風のタクトというシェーディングがトゥーンというか、今ままでのゼルダとはデザインが違う通称「猫目ゼルダ」と呼ばれているデザインの時に、あ、このデザインが好きだと思ってほじって行ったら昔の東映動画みたいなので知るようになっていったのがキッカケだった。

それがあって自分の中にある日本っぽさをちゃんと理解できた。

宮﨑駿や作家のメビウスに憧れた

気に入ってもらえ、買ってもらえた時の感動がたまらない

3年前ぐらいから本を作って(コミケなどの)イベントで売るという趣味を見つけた。凄くのめり込んでいて、それを中心に年間スケジュールもそれで組み込んだりしている。やはり自分が考えて企画したものが世に出て、人に評価されたり、面白がってもらえることにハマっていて、それを仕事にできたらいいなと。

今のところの野望として、これがメインで食っていけたら最高じゃんって思ってる。笑。

でも、これが夢物語じゃなくなったというか、御茶ノ水ヴィレッジヴァンガードの店長が気に入ってくれ、直接本を買いに来てくれて、御茶ノ水限定の本を作ってそれを売って貰っている。

日本で見つけた作家をフランスなどのヨーロッパで紹介する人などもいて、その人が持っていってくれたりして、最近は気にかけてくれている人が増えてきた。うまいこと展開できたらなーと。

クライアントワークもありがたいけど、反応がダイレクトで、単純に店頭で見て、いきなりお金を払ってくれるということって凄いなと。気にかけてくれて、手に取って気に入って貰ってそれがいきなりその高い値段にも関わらず気に入って出してくれた時の感動がたまらない。

物が売れたということよりも、見に来てくれたということが超嬉しくてハマっちゃったという、完全に。

小学館の人と知り合ったりもして、漫画のコンペとかに出すのもあるけど、そういうところに頑張ってどうにかメジャーに入るよりは、今のままでもちゃんとモノが作れるのならそれでもいいのかなと考えが変わってきてて。だから、どうしてもメジャーな所に入るより、手間がかかったり、自分ではできない部分で一緒にやってくれる人を探したい、一緒に面白がってくれる人を探したという方向に考えがシフトしている。

やりたいことも腐るほどあるし、ゲームとかアプリとかも作りたいけど、まだ実行に移せてない。

コミティアとコミケでの創作活動