Amazonで2万以上のレビューの書込などその人気ぶりに目を見張るものがあるShokzの骨伝導ヘッドホン。数年前に初期の2代目モデルTITANIMUを使い始めて、これまでにも様々なモデルを紹介したが、2022年に新規ハイエンドモデルOpenRun Proが発表されたが、今回も試供品をいち早く提供して頂いたので、レビューをしていきたい。
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目次
Shokz OpenRun Proレビュー
Shokz OpenRun Proの中でも特に気になった様々なポイントをレビューしていきたいと思う。
接続しやすくなった
OpenRun Proは、様々な機能で進化を遂げているが、その中でも一番嬉しいのは、その接続しやすくなったことだろう。
OpenRun Proでは、Bluetooth 5.1が採用され、Bluetooth 5.1の最大の特徴は、より正確な位置情報を把握できるようになったこと、そして複数のBluetooth機器がある場所でも干渉を受けにくくなったことだ。これにより音楽再生機器との接続がより短時間でより正確に接続できるようになった。
以前のモデルAeropexを使っていたときは、デスクでMacbookを使って仕事をしている途中で離れた場所に移動すると、接続が途切れAeropexから「ピッ、ピッ、ピッ」という音が定期的に鳴り、いかにも迷子になったMacbookとの接続先を探している感じがした。また、戻る時もデスクの近くまで戻らないと接続できないような状況だった。
しかし、OpenRun Proは、違った。
音楽再生機器で音楽を再生したままその場所から離れると「ピッ」と音が一回鳴り音楽が聴けなくなるが、近くに戻ると簡単に再び接続でき音楽が聴けるようになる。しかも少し離れた場所で壁越しに接続できて音楽が聴けた。これはちょっと感動した。
そしてもう一つ恩恵を受けるのがマルチポイント接続だ。Shokzの骨伝導ヘッドホンは、マルチポイント接続に対応しており、Macbook、iPhoneのように2台の端末をペアリングでマルチポイント接続することで切り替えが簡単にできるようになるが、このBluetooth 5.1でより正確でよりスピーディーに切り替え接続ができるようになる。
とにかく、接続がスムーズだ。
接続のストレスから開放され、音楽と一時も離れたくない全Shokzな人は体験すべき。
広がりのある低音になった
これまでのShokzの骨伝導ヘッドホンは高音域で広がりを感じさせる音だったが、第9世代テクノロジーとなる新たな技術Shokz TurboPitch™を搭載したことで「深みを感じさせる重低音再生」を実現。
実際に聞いてみるとたしかに低音が全体的に広がりを感じさせてくれるようになったが、お腹にズッシリとくるというような重低音ではなく、まさに「深み」を持った、どこか優しさでふわっと包んでくれるような深みを持った低音を感じさせ、大人が楽しめる低音に仕上がっている。
Aeropexの高音域に対して、ほどよい低音のリズムが、心臓を優しくなでてくれるような感覚にしてくれる。
5分の急速充電で1.5時間駆動は嬉しい
急速充電に関しては既に、テレワークに最適な骨伝導ヘッドホンOpenCommのモデルで体験していて、新しいモデルにもぜひとも採用して欲しいと願っていたものなので、これは順当な進化だと言える。
「充電忘れた」、そんな時でも5分待てば1.5時間音楽が聴けるのは嬉しい。
充電ポートは相変わらずShokzの独自の形状となっており過去モデルの充電ケーブルでも接続可能で、充電ケーブルを近づけるとマグネットで吸い付くように吸着する。このケーブルは1本しかないので、無くさないようにしたい。
充電ケーブルの充電器につなげる側の形状はUSB Type Aになっている。最近はUSB Type Cを採用している機器は増えているが、今はまだ移行の過渡期のためなのか残念ながらUSB Type Cはまだ採用されていない。
充電自体はMacBook ProのUSB Type CのコネクターからUSB Type Aが使えるUSBハブをつないで充電している。
次期モデルでは、技術的に可能なら充電ポートも充電器に接続する側もぜひともUSB Type Cを採用して欲しい。一本でも持ち歩くケーブルを減らしたい。
また、気になるのはバッテリー容量がAeropexよりも5mAh、OpenCommよりも30mAhほど減ったことだ。しかし、公表されているデータでは連続再生時間がAeropexやOpenCommのそれよりも2時間ほど長くなっているので技術改善により進化したものとなったと言える。
同様に完全充電は半分の1時間に短縮されたが、欲張るなら30分で完全充電ができるとなおいい。
長時間でも疲れにくい
全体的なデザインは、これまでのモデルを踏襲しており、これまでと同様にチタニウムバンドの採用と骨伝導技術のおかげで様々なメリット要素が生まれている。また、人間工学を感じせるデザインによるフィット感は顕在で、ここらへんはある程度の完成されたデザイン構造と言え、さらなる進化をするには新たな発想力、想像力が必要になってくるだろう。
Shokzの骨伝導ヘッドホンのデザインの変わらないデザイン構造のメリット。
- チタニウムバンドのおかげで折れにくい
- カナル型のイヤホンと比べて長時間装着でも疲れにくい
- ジムのランニングマシンでの有線イヤホンより安全で走りに集中できる
- AppleのAirpodsなどの装着型イヤホンと比べて落とす可能性を激減できる
- 耳を覆うヘッドホンと比べて夏場は快適
- それなりの激しい運動でも外れない
- 周りの環境音が聴こえて安全性が増す
- メガネ、サングラスも掛けられる
公式サイトのOpenRun Proのページでは、「ブラック、ブルー、ベージュ、ピンク」の4色が選べるようになっている。いずれもツートンカラーになっているが、個人的にはOpneCommの流線型のツートンの方が「継ぎ接ぎ感」が少なくて美しいと感じる。
ボリュームボタンは、Aeropexよりも約30%大きなサイズを確保して押しやすくなったとのことだが、個人的にはそのサイズよりも「+」「-」の凹凸物をあてにして指を動かしているため、そこまでの恩恵は受け取れなかった。逆に「+」「-」の凹凸物を認識するために指を動かす距離が長くなったとも逆に感じ取れる。
冬場だと手袋をしあんがらボタンの端を意識して指を動かすので凹凸の差をもう少し大きくして、指を動かした時の「触覚」の認識レベルを上げて欲しい。ただ、見た目のバランスもあるので悩ましいとも思える。
IP55に下がった防塵防水が少し気になる
AeropexではIP67の防塵防水性能だったのだが、それよりも性能が劣るIP55に変更された。これは初期モデルのTITANIUMと同じ性能だ。
雨の中や濡れた状態での長時間は避けるようにとの公式サイトにも注意書きが記されているので気をつけたいのだが、これはスピーカー部分の前後と底部がメッシュ構造のデザインに変更されたためだと考えられる。
これまでのモデルは、スピーカーすべてを密閉するような構造になっていたのに、メッシュにしたということには意味があるだろう。恐らく、低音再生に影響するからではないのだろうかという考えが浮かんでくる。
防水性能と音質の両立は今後の技術革新に期待したい。
OpenRun ProとAeropexの比較
OpenRun ProとAeropexの比較表だが、Aeropexと比べても3gしか違わない軽さとなっているものの、様々な点で進化している。
商品名 | OpenRun Pro | Aeropex (エアロペクス) |
---|---|---|
型番 | AS810 | AS800 |
スピーカー | 骨伝導トランスデューサ | Bone codnductionスピーカー |
サウンド | Shokz TurboPitch™ | PremiumPitch+™2.0 |
周波数帯 | 20Hz 〜 20KHz | 20Hz 〜 20KHz |
スピーカー感度 | 105 ± 3dB | 105 ± 3dB |
マイク感度 | -38dB ± 3dB | -38dB ± 3dB |
Bluetoothバージョン | Bluetooth v5.1 | Bluetooth v5 |
Bluetooth接続距離 | 約10m | 約10m |
バッテリー | リチウムポリマー | リチウムバッテリー |
連続再生時間 | 10時間 | 8時間 |
待機時間 | 10日間 | 10日間 |
充電時間 | 1時間 | 2時間 |
急速充電 | 対応(5分の充電で1.5時間駆動) | – |
バッテリー容量 | 140mAh | 145mAh |
重量 | 29g | 26g |
防滴 | IP55 | IP67 |
対応プロファイル | A2DP, AVRCP, HSP, HFP | A2DP, AVRCP, HSP, HFP |
アプリ対応 | iOS / Android | – |
機能 | ファームウェアアップデート 水濡れ検出アラート | 充電端子漏電防止アラート |
マスクしながらでも会話できたマイク
オンラインでビデオ会議を実際に2回ほどマスクしながらやってみたが、デュアルノイズキャンセリングマイクのおかげなのか普通に会話ができた。
ただ、オンライン会議をするならやはりヘッドセット型のOpenCommの方がおすすめだ。
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また、移動中に突然の電話にも簡単に出られるので、使ってみると分かるのだが、フリーハンドで電話できるのはわりと便利だ。
音声案内の言語が切り替えできる
初めて購入した骨伝導ヘッドホンの初期モデルTITANIUMの音声案内は英語だったのに、Aeropexの音声案内は日本語しか選択できなかったのが今でも少し残念な記憶がある。
別に日本語でもいいじゃん?
とか思うかもしれないが、それならば最近ではその機能差がなくなってきているのにも関わらず日本ではAndroidよりもiPhoneの方が人気なのはなぜか?言うなれば、センスの良いと感じる最先端のデバイスを使うことによって、
「英語音声の骨伝導ヘッドホンを使ってる俺、イケてるじゃん」
とほんのりと自己陶酔に陥りたいものだ。なので、選択できるようになったのは嬉しい。
今までで一番良いポーチ入れ
これまでのモデルでもポーチ入れはチェックしてきたが、今回のOpenRun Proが一番良いと感じた。ナイロン生地で作られており、傷やホコリが付きづらいものになっている。また、ジッパーが付いているので、しっかりとOpenRun Proをしまい込んでおけば汚れは付きづらいだろう。
ポーチは下記のようにOpenRun Proと充電ケーブルを入れるのだが、少し残念なのは充電ケーブルを挟むためのバンドだ。ポーチの横からケーブルをバンドに挿入するのだが、やりづらい。ポーチに深さがあり、それが原因で差し込みづらいのだ。バンドの向きを横にすることでもう少し入れやすかったのかもしれない。
初のアプリ&ファームウェアアップデート対応
Shokzで初めてiPhoneとAndroidのアプリを使って下記のような操作ができるようになったモデルで、実際によくアプリを使って操作をしている。
- ペアリング(Bluetooth 5.1)
- マルチポイント・ペアリングの簡単設定
- リスニングのカスタマイズ
- 使い方のヒント
- 2種類のイコライザ設定
アプリ対応が嬉しいのはもちろんだが、さらに嬉しいのはOpenRun Proがファームウェアアップデートに対応するということだ。
これにより、OpenRun Proに不具合や改善があった場合にはファームウェアをアップデートすることでより使いやすくなるということだ。
近年のIT機器は、このファームウェアアップデートを実装する機器が増えていると個人的には感じている。このファームウェアアップデートがあることによって高額商品を安心して購入できるかどうかの材料の一つとして判断できると考えており、そういう意味では時代を見据えた実装だと言え、評価ができる。
関連 Shokzアプリの使い方。マルチポイントペアリングのやり方も
音漏れは?
室内で下記の環境で音漏れのチェックをしてみたが、耳を澄まして聞かないと音漏れは聞き取れない程度だ。
- iPhoneのボリュームを半分ほどで再生(通常はこの程度で聴いている)
- 室内でヘッドホンから30cmほどの場所
他のモデルとOpenRun Proの違い
骨伝導OpenRun ProとShokzの他のモデルの価格や機能の違いを一覧にまとめてみた。
画像 | 商品名 | 参考価格 | ワンポイント | 発売時期 | ミニサイズ | 骨伝導技術 | バッテリー駆動時間 | 充電時間 | 待機時間 | 充電ポート | バッテリー容量 | 最大充電電圧 | Bluutooth | 音楽ストレージ | マルチペアリング | 対応プロファイル | ワイヤレス範囲 | 互換コーデック | 防水性能 | 重量 | 素材 | 水分検出 | 周波数帯域 | 感度 | EQ機能 | マイク | マイク感度 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
OpenRun Pro | Amazon ¥23,880 楽天 ¥23,880 ヤフー ¥18,498 | 第9世代、迫力の低音、10時間の連続再生のハイエンドモデル | 2022 | ◯ | 第9世代 | 10時間 | 1時間 | 最大10日 | 磁気誘導 | 140 mAh | 5.0V ± 5% | 5.1 | – | ◯ | A2DP, AVRCP, HSP, HFP | 10m | SBC対応 | IP55防水 | 29g | フルチタン | ◯ | 20Hz~20KHz | 105 ± 3dB | 2+ | デュアルノイズキャンセリングマイク | -38dB ± 3dB | |
OpenRun | Amazon ¥17,880 楽天 ¥17,880 ヤフー ¥15,200 | 第8世代、IP67の防水性能をもつ骨伝導ヘッドホン | 2022 | ◯ | 第8世代 | 8時間 | 1.5時間 | 最大10日 | 磁気誘導 | 160 mAh | 5.0V ± 5% | 5.1 | – | ◯ | A2DP, AVRCP, HSP, HFP | 10m | SBC対応 | IP67防水(水泳除く) | 26g | フルチタン | ◯ | 20Hz~20KHz | 105 ± 3dB | 2+ | デュアルノイズキャンセリングマイク | -38dB ± 3dB | |
OpenMove | Amazon ¥11,880 楽天 ¥11,880 ヤフー ¥10,400 | Shokzの入門用骨伝導ヘッドホン | 2022 | – | 第7世代 | 6時間 | 2時間 | 最大10日 | USB-C | 135 mAh | 5.25 V | 5.1 | – | ◯ | A2DP, AVRCP, HSP, HFP | 10m | SBC対応 | IP55防水 | 29g | チタンヘッドバンド ポリカーボネートイヤーフック | – | 20Hz~20KHz | 96 ± 3dB | 2+ | デュアルノイズキャンセリングマイク | -40dB ± 2dB | |
OpenSwim | Amazon ¥21,880 楽天 ¥21,880 ヤフー ¥20,880 | 水泳しながら音楽聴ける骨伝導ヘッドホン 携帯型MP3プレイヤー | 2019 | – | 第7世代 | 8時間 | 2時間 | 最大10日 | ポゴピン | 183 mAh | 5.25 V | – | 4GB内蔵 | – | MP3, WMA, FLAC, WAV, AAC | – | – | IP68防水 | 30g | フルチタン | – | 20Hz~20KHz | 96 ± 3dB | 2+ | – | – | |
OpenComm UC | Amazon ¥27,880 楽天 ¥27,880 ヤフー ¥23,040 | リモートワーク用骨伝導ヘッドセット。 IT業界、教育業界、会計・監査業界などオフィスシーン向け | 2020 | – | 第7世代 | 16時間の通話 | 1時間 | 最大14日 | 磁気誘導 | 170 mAh | 5.25 V | 5.1 | – | ◯ | A2DP, AVRCP, HSP, HFP | 10m | SBC対応 | IP55防水 | 37g | フルチタン | ◯ | 20Hz~20KHz | 96 ± 3dB | 3+ | ノイズキャンセリングブームマイク | -38dB ± 3dB | |
OpenComm | Amazon ¥22,880 楽天 ¥22,880 ヤフー ¥18,680 | リモートワーク用骨伝導ヘッドセット。 建設業、運輸業、金融業、販売業、サービス業などのモバイルシーン向け | 2020 | – | 第7世代 | 16時間の通話 | 1時間 | 最大14日 | 磁気誘導 | 170 mAh | 5.25 V | 5.1 | – | ◯ | A2DP, AVRCP, HSP, HFP | 10m | SBC対応 | IP55防水 | 33g | フルチタン | ◯ | 20Hz~20KHz | 96 ± 3dB | 3+ | ノイズキャンセリングブームマイク | -38dB ± 3dB |
OpenRun Proレビューまとめ
この他にも、2台のの音楽再生機を接続できるマルチポイント接続やイコライザ機能なども利用できるようになっているが、音質も大事であるものの、普段使いにとってはやはり冒頭の圧倒的なスピードと正確さで接続できるようになったこと、急速充電に対応したことは、この新しいモデルを購入すべき最大のポイントになることは間違いない。
OpenRun Proを使ってみた感想。
- 良かった点
- BLuetooth 5.1で接続がしやすくなった
- Apple Airpodsのようなカナル型のイヤホンと比べて落とす可能性が低い
- 長時間の利用でも疲れにくい
- 5分で1.5時間の駆動の急速充電は嬉しい
- 今までで一番良いポーチ入れ
- マルチポイント・ペアリング設定などがアプリで設定できる
- デュアルノイズキャンセリングのマイクでマスクしながらでも会話できた
- ファームウェアアップデートがある(可能性がある)
- それなりの激しい運動でも外れない
- 音声案内の言語が切り替えできる
- マルチポイント接続でPCとスマホの接続の切り替えがやりやすい
- イマイチな点
- 防塵防水がAeropexと比べてIP55に下がった
- 電車の中など、環境音が大きい場所では聞こえづらい
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